増幅器付スピーカー事件(地裁)

平成18年(ワ)第19650号(意匠権侵害差止請求権不存在確認請求事件)

本件は、被告が保有する「増幅器付スピーカー」の登録意匠(1276011号)に基づいて製品販売の差止を求められている原告が、原告製品は被告意匠に類似しないため差止請求権が存在しないことを確認する裁判(侵害訴訟ではない)で、地裁は、両意匠に係る物品は類似し、両意匠も類似すると判断して、原告の請求を棄却した。

ポイント

  • 裁判所は、増幅器付スピーカーは「増幅器」及び「スピーカー」という、二つの機能を有する、いわゆる多機能物品であると認定し、その上で、増幅器の機能において、原告製品と機能を共通にするものであり、両物品は類似すると判断した。
  • 裁判所は、登録意匠の要部について「「平坦な正三角形の左右側面」と「平坦な長方形の正面、底面及び背面」で構成される正三角柱状の本体部」及び「正面の中央下部から前方に半円形に突出するドック部」を要部と認定し、原告製品も要部を共通に有する。その結果、両意匠は、全体として看者に対して同一の美感を与えると判断した。

学ぶべきポイント

  • 多機能物品の意匠では、一つの機能が共通するだけでも物品類似となり得る。
  • 新規なものであり、看者である取引者・需要者の注意を惹く部分が要部となり得る。

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