非類似審決例①

不服2012-22409(拒絶査定不服の審決)

本件は、株式会社Rが出願した「ソファー」の部分意匠(左右脚部)について、引用意匠(インターネット掲載の椅子)との類似を理由に拒絶されたため、拒絶査定不服審判が請求された事案である。審決は原査定を取り消し、本願意匠の登録を認めた。

結論

本願意匠は引用意匠と非類似であり、意匠法3条1項3号に該当しない。原査定は取り消され、本願は登録すべきものとされた

事案の概要

本願意匠は、ソファーの左右脚部を部分意匠として登録を受けようとするものである。引用意匠は、designboom に掲載された椅子の脚部であり、本願意匠に対応する部分が類否判断の対象とされた。

  • 本願意匠の脚部はソファー全体を支える基台部である。一方、引用意匠の脚部は座面・背もたれを保持す       る椅子自体の構成部材である。両者は用途・機能が大きく異なるとされた。
  • 本願意匠はフレーム部が水平面で接地するのに対し、引用意匠は角部で接地する。また、本願意匠のフレーム部はソファー下部に任意配置可能であるが、引用意匠はフレーム部に座面と背もたれを固着していることから、左右端部に限定される。両者の位置についても相違すると判断された。
  • 本願意匠の大きさや範囲については、破線で示されたソファー全体の形態との対比によって決まるものであり、破線部の形状次第で大きく変動する。そのため、本願意匠と引用意匠の大きさ・範囲の共通点は、類否判断に与える影響が限定的であるとされた。

学ぶべきポイント

部分の用途・機能まで認定したうえで類否判断を行う(部分の用途機能が異なれば非類似に持っていける)。

機能上重要な部位の用途機能に差異があれば非類似要素となる。

部分意匠と公知意匠における大きさ・範囲の共通点は、類否判断における影響が限定的となりやすい(部分意匠の破線部は変動する前提のため)。

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