カラビナ事件(高裁)

平成17年(ネ)第10079号(意匠権侵害訴訟)

本件は、意匠に係る物品名が「カラビナ」の意匠権(意匠登録第1156116号)を有する控訴人が、被控訴人の販売する「ハート型カラビナキーチェーン」が登録意匠を侵害するとして差止め・廃棄・損害賠償を求めた事案である。
原審は「原告商品は登録意匠の権利範囲に属しない」として請求棄却。 原告が控訴したが、高裁も控訴棄却 とした。

ポイント

  • 本件登録意匠の物品は「登山用具としてのカラビナ」であり、「キーホルダー」ではないと判断した。
  • 「物品の説明」は補助的記載であり、物品性を拡張する効力はないと判断した。
  • 出願人自身が「登山用具としてのカラビナ」を前提に意見書を記載して登録になっており、後からキーホルダー用途を含むと主張することは許されない(包袋禁反言)。

学ぶべきポイント

  • 意匠の物品性は「意匠に係る物品」欄で決まり、「物品の説明」では権利範囲を拡張できない
    ただ、現在は物品名だけで用途・機能を特定できなくても、その他の願書の記載(例えば、物品説明)等から特定できればよいため、物品名及び物品説明の書き方次第で、キーホルダーにも登山用のカラビナにも権利が及び得るような出願方法も可能性として考えられそうである。
  • 意見書を提出する場合、2以上の物品を含めて権利化したい意図がある場合は、意見書においてもそれらを含めた前提で主張(記載)をすべきである。

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