琉球瓦事件(知財高裁)
令和5年(行ケ)第10008号(審決取消請求事件)
本事案は、無効審判では登録維持となったその控訴審である。
被告らは「疑似琉球瓦」を創作し、意匠登録を受けた(意匠登録第1663938号)。
原告らは、被告らが出願前に交付したパンフレット等に掲載された瓦(本件模様瓦)が公然知られた意匠であり、登録意匠はこれに類似するとして無効審判を請求した。その結果、本件意匠は出願前に原告事務所へ交付されたパンフレット・写真により公然知られた意匠に類似すると判断され、 意匠法3条1項3号違反により無効とされた。

ポイント
- パンフレットは広告形式で秘密扱いの指示もなく、原告事務所内で共有されていたことから、 公然知られた意匠と認定された。
- 契約・明示・行動の一貫性がなく、パンフレットが秘密扱いであったとは認められず、公然性を否定できないとされた。
- 原告は共同創作であるとも主張していたが、創作行為に現実に加担したものとは直ちには認められないとして否定された。なお、原告は模様の幅を広げるように、特定の厚みにするように等の指示をしていた。
学ぶべきポイント
- 出願前に情報を開示する場合は、取引先等の何らかの関係があっても、少なくとも秘密であることが分かるような意思表示をしておくことが望ましい(秘密保持契約までは結べてなくとも)。
- 最も早く開示した行為が何なのかは企業側でしっかり把握しておくことが望ましい(営業担当が知らない間に第三者に開示していた、なんてこともある)。

